Pygmy Outdoor Lifestyle School の子と多摩川河川敷にある公園で遊んでいた時のこと。


他の団体の集まりで来ていた男の子が Pygmy School の子をペシペシと叩いて泣かせてしまいました。


私たちは子ども同士のケンカは、大きな怪我にならないようには気を付けるけれど、基本的に放っておきます。


なぜなら、大人が介入しなければ、必ずやった方にもやられた方にも大きな学びがあるから。


ケンカの経験数は、心を育んだ数とも言えます。


だから、今回も私たちはしばらく様子を見ていたのですが、叩いてしまった男の子のお母さんがその子目がけてすごい剣幕でやって来ました。
(・∀・)


「なーにやっているのーー!!!」

「あやまりなさい!!!」

「ごめんね、ごめんね」

「ほら!ごめんねを言いなさい!!!」と


息子に怒って、泣かせてしまった子に謝ってと、とても必死に・・・・・・・


「ああ、人間味のある方だなー」と私は思ったのですが、怒られた男の子はプイッと走って行ってしまいました。


***


泣いた子に理由を聞いて、その子の気持ちが落ち着くのを待ってから


私は男の子のお母さんの元へと向かいました。


そのお母さんは私に責められると思ったのか「先程はすみませんでした。うちの子が・・・」と


早口で謝ってきました。


だから


「いいんです、いいんです。子どもをなだめて頂きありがとうございます。お母さんが大丈夫かな?と思いまして」と伝えました。


すると何かを察してホッとしたのか


「本当にあの子には困っていて・・・」と


スルスルと子育ての悩みが出てきました。


ヤンチャな男の子に手を焼いていて、この子はどこかがおかしいのではないか?と病院に行こうと思っている、


そう言っていました。


男の子のお母さんは、ひとりで悩みを抱えて、事あるごとに傷ついていたのです。


一生懸命に育児をして、外に連れ出して、なるべく自然の中で遊ばせようと多摩川河川敷に来て、のびのびさせてあげている。だけれど、いつも誰かに謝る何かがあって、とても心が疲れている、


そう私は感じました。


男の子に接すると、その男の子の気持ちもよく伝わってきました。


「ああ、かまって欲しくて、いじけてるんだ」と。


***


石を投げては

「だめ!投げないよ!」


友達にちょっかいを出しては

「何やってるの!仲良くね!」


置いてあったトンカチを触っては

「危ないよ!」


私がいた短い間に、男の子はたくさんの「禁止」を言葉で受けていました。


そりゃ、愛、つたわらんよなーーーーー。


お母さんは必死で他の子を守ろうとするし、


自分がやりたい事はことごとく「だめ!」と言われるし、


お友達のお母さんにはぼくのこと「困った子」だと言っているし、


ぼくはいったい、何をしていいの?

お母さんはぼくのこと、きらいなの?

さみしいなー、もっと遊びたいなー、ぼくのこと、好きって言ってほしいなーー


そんな言葉が聞こえてきました。


***


お母さんはもちろん、男の子のことを愛しています。


だけど、その愛はなかなか伝わりません。それが分かったので


「あの子のしたいトンカチを、2人でゆっくり、あの子の気の済むまで楽しんでできたらいいですね」と


メッセージを込めてお伝えしました。


共同作業を楽しみながら 2人で向き合う時間が、この 2人にとっては愛が伝わる方法になるかもしれない、と思ったからです。


すると、お母さんは「そうですね、やらせてあげたい!やってみます!」と顔を明るくして言いました。きっと、お母さん自身もそう思っていたんだと思います。


***


例えその場で解決できなくても、想いを聞いてもらえることや受け止めてもらえることが、「お母さん」の安心に繋がることがあります。


心が安まったら、後は笑うだけ。


その後、そのお母さんは泣いていた Pygmy School の子と手を繋ぎながら、何やら楽しそうにお話し、笑顔で過ごしていました。


(*´╰╯`๓)♬ 


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