虫が遊んでくれる季節になりました。
Pygmy Outdoor Lifestyle School FUTAKO TAMAGAWA(ぴぐみーアウトドア・ライフスタイル・スクール二子玉川) の子どもたちも多摩川河川敷に行っては視線を凝らしていろいろな生き物を探しています。
子どもの遊びの中には目には見えないけれど、大事なものが詰まっていて
「虫とり」も大人の接し方次第で、子どもたちが得るものは大きく変わってきます。
どんなことがあるかと言うと
大人が子どもに「やり方を教えない」と、
子どもは「自分で考えてやってみる」という機会を持つことになり、「思考力」をつけることができます。
そして、自己流でアレコレとトライするいう行動ができると、子どもに「主体性」が身につきます。
また、大人が言葉でやり方を教えずに「姿」を見せていると、子どもに「お手本を見て真似る(自ら学ぶ)力」が身につきます。
解剖学者の養老孟司さんは、幼少期から虫とりが大好きで今でも子どもたちを集めて虫とりをするそうですが、虫のとり方は一切教えないそうです。
ご自身が実践する姿を見せて子どもが「自分なりにやってみること」を大切にしているのだそうでうす。
こちらの生き物が大好きな小学生のお兄ちゃんは Pygmy School の卒業生ですが、
私たちはこのお兄ちゃんに虫のとり方を指導したことはありません。
大人が実際にやって見せて、彼が自分でそれを真似て何度も何度も失敗も含めて自分で経験したり、
自分で試行錯誤を繰り返しながら、虫(生き物)と仲良くなってきました。
黒トンボ
オオシオカラトンボの雌(かな?)
ミンミンゼミ
羽を持つと飛べなくなってしまうので、なるべく胴体を持つようにと持ち方もあります。
(注:私は虫は触れません・・(´-ω-`))
お兄ちゃんは虫の負担を少なくする為、どれも直ぐに放していました!
そして、このお兄ちゃんの姿を見て、おチビちゃんたちも真似て場数を踏んでとれるようになっていくというサイクルが Pygmy School では出来上がっています。
それは、「虫とり」という行動の中にある「マインド」の受け継ぎとも言えます。
たかが虫とりだけど、されど虫とりで、子どもたちにとって生き物とは成長を促してくれる大切なパートナーなのです。
多摩川河川敷で私たちが虫とりをしていると、どこかの保育園さんが虫あみを数本持ってやってきました。
すると先生は子どもたちに
「虫を見つけたら先生に言ってね。触っちゃダメよ。先生がとりますから」と伝えていました。
先生の数に対して子どもの人数が多くて虫あみを管理しきれないからかもしれないし
一人ひとりに先生が付き合ってあげられない環境だからかもしれないし
知らない虫を触って刺されたりする危険を避ける為かもしれないし
その保育園さんの意図は明確には分からないけれど、
この子どもたちには「虫とりから得るマインド」はどんなものがあるのかを考えると、残念に思いました。
日本の今の保育制度の中では、多くの子どもたちが「大人の管理の中」で生活をしていることも、私たちは忘れちゃいけないと思っています。
こんな自由と尊重がない管理方法は変えていかなければならないと思っています。
幼児にも、自由を
そして、一人ひとりが尊重される環境で育てることを心から願って、私たちは子どもを「管理の中で保育する」という考えではなく、
「子どもが暮らす場所」という発想を持ってライフスタイルという視点で活動を続けています。
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