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参考記事






子どもとヴァンライフ、東北の旅の続きです。


なぜ、今回秋田県にある田沢湖へ行ってクニマス(魚)を実際に見たい!と息子が言ったかというと、


昨年の夏休みの宿題に読書感想文があって、『 クニマスは生きていた(池田まき子著) 』を読んだことがキッカケでした。


魚好きな息子が手に取った本、クニマスと田沢湖にはザッとまとめるとこんなストーリーがあって、、


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「秋田県の田沢湖は水深400mが広がる日本一深い湖で、世界中でここにしかクニマス(サケの仲間の淡水魚)は生息しておらず“神秘の湖”と言われていたのですが、


1940年に戦争で国力を強化する為に水力発電所を建設し、田沢湖を発電と田畑に必要な水を人工的に引いて供給する為のダム湖にする計画が練られました。


その結果、“毒水”と言われている酸性の強い玉川の水が田沢湖に導水され、田沢湖は酸性になり住む魚は死んでしまい、クニマスも姿を消してしまいました。そして田沢湖は“死の湖”と呼ばれるようになりました。


しかし、事前にクニマスの卵を他の湖に送り届けた人がいたことにより、2010年に500km離れた山梨県の西湖でクニマスの生息が確認されました。


西湖が田沢湖の環境に似ていたことにより、田沢湖にしか住めなかったクニマスが生き延びることができたと言われています。そのことからクニマスは“奇跡の魚”と言われるようになりました。


人工的な繁殖が難しいクニマスですが、現在は田沢湖にあるクニマス未来館で数匹クニマスを見ることができます。


けれど、田沢湖は未だに酸性の強い湖のままで、クニマスは田沢湖に戻ることはできません。昔のように綺麗な湖に戻るように努力しているそうです。」


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実際に西湖にも行ったことがある息子は、田沢湖にも行って実際にクニマスを見てみたいと思ったそうです。


そして、東京からクニマスを見に秋田県にある田沢湖まで来たのでした。


先ずは田沢湖へ。驚いたのは、湖の綺麗さです。田沢湖は季節によって色を変えるそうですが、春は美しい瑠璃色が広がっていました。


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酸性に強い魚(ウグイ)がたくさんいました。餌をあげる体験ができて息子も大喜びでした。


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どうにかして湖を触らせてあげようとしている図(笑)


そして、もう一つの田沢湖の伝説、「たつこ像」にも会えました。


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黄金・・・!!う、美しい〜!!黄金なのは酸性の強い湖水からの腐食を防ぐ為のようです。瑠璃色と黄金のコントラストがとても綺麗でした。


こちらのたつこ像にはこんな物語があります。こちらもザッとまとめると、


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「永遠の美しさを求めた辰子は、美貌を保つという願いを叶える為に大蔵山観音に教えてもらった泉の水を飲みにでかけたのですが、その途中でイワナを食べたら喉が乾いて乾いて仕方がなく、見つけた泉の水で喉を潤そうとしたけれど、飲んでも飲んでもいつまでも満足せずついには腹ばいになって泉の水を全部飲み干してしまいました。


そして最後には雷雨を呼び津波を起こして湖を作り、龍神になって水の底に沈んでしまいました。


帰って来ない辰子にお母さんは悲しんで、事の成り行きを聞いたお母さんは湖に向かって辰子を呼び続けたところ、


辰子は龍神から姿を美しい乙女に変えて現れ、人間界にはもう戻れないこととこの湖を守り続けることを告げたそうです。


悲しんだお母さんが持っていた薪の燃えさしを湖に投げたところ、1匹の魚となって湖を泳いで行ったそうです。この魚がクニマスと言われています。」


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田沢湖は水遊びに夢中になる子どもが落ちて命を落とす事故が何度もあったり、自殺した人がいたりしたそうなのですが、ご遺体が上がることは殆どなかったそうです。


実際は水深が深いことと真水で浮力が小さいことが要因なそうなのですが、人々は神隠しだと思い、子どもたちは辰子姫の仕業だと信じていました。


辰子姫の物語は人の欲望を表したものなのかな、とも思ったけれど、この伝説を伝えることで子どもたちが湖の深みに行くことを防ぐことができるので、大人たちの工夫と愛が詰まった物語なんだなと思いました。


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  田沢湖クニマス未来館 ではついに泳いでいるクニマスを見ることができました!


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念願のクニマスさん♪


一見美しい湖ですが、未だに玉川から酸性の水が流し入れられているそうで・・田沢湖は酸性が強いままなんだそうです。


濃度を戻すのに何年かかるんだろう。何十年、何百年なのかな。


一瞬、戦争で人間によって湖は酸性にされクニマスも他の魚も死んでしまったから、人災だ、ひどいな、と思ったけれど、


そうしないといけなかった理由も大きすぎる程あったのですよね。


自然破壊をしていいとは本当に思わないし、愚かな人間の行動でたくさんの生物の命を奪ったのだからその罪は大きいけれど、


人間も家族や村など、大切なものを守る為に必死だったんだよなと思いました。


田沢湖が元に戻ってクニマスが帰れるのはずっと先かもしれないけれど、きっと罪滅ぼしも含めてクニマスが戻れるまで、人々は代々続けて努力をし続けるんだなーと思います。


私も東京にある多摩川河川敷でよく子どもたちを遊ばせているので、改めて自然に感謝すると共に、自然を大事にするというのはどういうことか、自分は何をするべきかを考えました。


息子の読書感想文をキッカケに、自然破壊についてや人の在り方や自然との共存の仕方(考え方)など、いろんなことを考えることができました。


田沢湖に行きたい!と心のままに言ってくれた息子、ありがとう!


田沢湖の側には『辰子茶屋』があって、ここの秋田小町で作ったみそたんぽと炭火で焼いたイワナがとっても美味しくて、秋田の幸をしばし堪能しました。


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みそたんぽの串は秋田杉だそうで杉の木の良い香りがしました♪


田沢湖に行った際は是非、辰子茶屋へお立ち寄りくださいね。本当に美味しかったです!



そして次は、植物好きな私の楽しみの ハーブガーデン、ハートハーブ へ!


広大な地に咲くハーブたちを楽しみにして行ったのですが、お花、あんまり咲いていませんでした(笑)


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現地の方に伺ってみると、


「秋田は雪が終わったばかりだから、春はこれからよ〜」と教えてくれました。


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ほんと、雪がまだあって冬を感じました!(笑)


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クニマスの手ぬぐいを巻くお兄ちゃん♪


けれど、東京の河川敷にはあまりないツクシがあって感動したり、


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可愛らしい春のお花が顔を出していました。


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チューリップも素敵でした♪


田沢湖の後は、最後に岩手県の釜石にある根浜海岸に寄って釣りをし、羽根を伸ばしてから東京へと戻りました。


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そして、美しい山々からビルへ。


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ただいま!東京!


東北地方の旅は、震災や釣りやクニマスなどを通して「生きること」についてたくさん感じ、考えることとなりました。


被災地や田沢湖では途中でどうしようもないもどかしさやいろんな感情が芽生えたけれど、先ず私がすることは、今自分がいる環境を精一杯に生きること、大切な人やそう思っていることを大事にすることだなと思いました。


マザー・テレサも「家に帰って家族を大切にしてください」と言っていたけれど、自分の周りにいる人やことに目(心)を向けることが、世界を平和にすることに繋がるのですよね。


そして、その大切な人とは「自分」という唯一無二な存在のことで、自分を見て知って大事にしてあげることが、結果、家族を大切にすることに繋がり、その連鎖が世界に幸せを溢れさせるんだなと思います。


自分のことを大切にするという考え方がなければ、人のことも大切にすることはできないのですよね。なぜって、自分への愛も他人への愛も、愛する感覚は同じだから。


先ずは自分から、そして家族を得て、世界へ。


「お友達と仲良くしなさい、大切にしなさい」と習う日本の社会だからこそ、私は子どもたちには敢えて「自分を大切にしてあげることの良さ」を伝えていきたいと思います。自分を大事にする感覚を持てたら自ずとお友達のことを大切にする気持ちは芽生えていくので。


GWの【子どもとヴァンライフ】シリーズはこの記事で終わりです。お付き合いくださった皆様、ありがとうございました♪












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